スマートキーは便利ではありますが、逆に不便だという声も意外と多いんです。
例えば、鍵の存在を意識せずにドアを施錠/解錠できたりエンジンのON/OFFができることが、次のような不便さにつながったりするんです。
- スマートキーの置き場所が分からなくなる
- 助手席の人が間違えて持って帰ってもすぐに気が付かない
今回は、スマートキーを不便と感じている人たちの意見をまとめてみました。
また、スマートキーにかかわる次のような疑問についても答えていきます。
- スマートキーの車を普通の鍵で開けることができるのか?
- スマートキーを持って車を離れるとエンジンは切れるのか?
- スマートキーとキーレスの違いは?
スマートキーは不便?いらない派の意見
スマートキーは確かに便利ですが、不便と感じている人も多いんです!
ネットの口コミなどで意見が多いものから順に並べてみました。
・鍵の操作をしなくてもドアの開閉やエンジン操作ができる。そのため助手席でスマートキーを預かっていた人が間違えて持ち帰ってもすぐに気づかない。
・車を運転する時にスマートキーの置き場所に困ったり、降りるときにスマートキーが見つからないことがある。
・リモコンバッテリーの消耗が早い(1~2年で電池交換が必要になる)。
・ドアの開け閉めなどでピッピッと音が鳴るため、スマートキーの車であることを周りに知られてしまう。
・厚みがあるためキーホルダーやキーケースに入れにくく、ポケットでもかさばる。
スマートキーの素朴な疑問
便利ですが課題もある、スマートキーの素朴な疑問に答えてみましょう。
普通の鍵みたいに開けられないの?
スマートキーに内蔵されている「メカニカルキー」を使うと、ドアの開閉やエンジンのON/OFFができます。
ただし、メカニカルキーを使うにあたっては、次のような注意が必要です。
警報音が鳴る
メカニカルキーを使って車のドアを開けると、警報音が10~30秒鳴り続ける車が多いです。
これは盗難防止のためであり、メカニカルキーがあくまで「非常時」に使うという位置づけのためです。
メカニカルキーを使う都度、警報音が鳴ってしまうと近所の人々に怪しまれますので、あまり推奨はできません。
基本的にはメカニカルキーに頼ることなく、スマートキーの電池が切れないよう定期的に電池交換をすることが必要です。
ドアの鍵穴が分かりにくい
スマートキータイプの車は盗難防止のため、ドアの鍵穴が目立たない位置にあり分かりにくいことが多いです。
慣れていないと、スマートキーの電池が切れて、いざメカニカルキーを使わざるを得なくなった時に、鍵穴がなかなか見つからず慌ててしまいます。
車を買った時には、必ず1回は、取扱説明書で鍵穴の位置を確認しておきましょう。
また鍵穴の位置だけでなく、メカニカルキーに関わる次の操作も、必ず試してみてくださいね。
- スマートキーからメカニカルキーの取り出し方
- メカニカルキーを使ったドアの開け方
- メカニカルキーを使ったエンジンのかけ方
エンジンをかけたまま車を離れると自動で切れる?
スマートキーの車は、エンジンをかけたままキーを持って車を離れても、エンジンは切れません。
車種によって警告メッセージが出ることがありますが、エンジンはかかったままです。
この動画では、ホンダのN-BOXを使用している人が、エンジンをかけたままスマートキーを遠くに置いたときにどうなるのかを試しています。
「キーがありません」という警告は出るものの、普通に運転ができてしまっていますね。
エンジンをかけたまま施錠できるの?
またスマートキーの車は、エンジンがかかった状態では車の施錠はできません。
例えば、運転の途中でちょっとコンビニに立ち寄ってエンジンをかけたまま車から離れる時などは、鍵が開いたままになります。
無人のままエンジンをアイドリングしている車がスマートキーの車であることを知っている泥棒は、その車に乗って盗むことができます。
メカニカルキーで施錠できるが完全ではない
車種によっては、メカニカルキーを使えばエンジンをかけた状態で施錠することも可能です。
ただ、メカニカルキーでの施錠では、運転席のドアは施錠できても後部や助手席など、他のドアは施錠できない車もあります。
一例として、トヨタのホームページにある解説を紹介しておきます。
[URL]
https://faq.toyota.jp/faq/show/4783?back=front%2Fcategory%3Ashow&category_id=57&page=1&site_domain=default&sort=sort_adjust_value&sort_order=desc
[Q]
エンジンをかけたまま(ハイブリッドシステムを始動したまま)、一時的にクルマから離れたい。スマートキーを携帯してドアを施錠する方法はありますか?
[A]
エンジンをかけたまま(ハイブリッドシステムを始動したまま)でも、メカニカルキーを使ってドアの施錠は可能です。
しかし、エンジンをかけたまま(ハイブリッドシステムを始動したまま)の状態で施錠する方法は、盗難防止の観点からおすすめできません。
オートアラーム装着車の場合でも、エンジンをかけたまま(ハイブリッドシステムを始動したまま)ドアを施錠するとオートアラームが作動しません。
また、おクルマによっては運転席ドアをメカニカルキーで施錠しても、全てのドアが連動し施錠されない車種もあります。
■エンジンを掛けたままおクルマから離れることは道路交通法の違反となりますので、私有地以外でおクルマから離れることはお止め下さい。
盗難防止の観点からも、エンジンを止めて施錠してから車を離れましょう。
スマートキーとキーレスの違いは?
スマートキーとキーレスは、混合しがちですが別物です。
スマートキーは、鍵を意識しないでドアの施錠/解錠やエンジンのON/OFFができますが、これは車とスマートキーから発する微小な電波が通信しあうためです。
一方で、キーレスにはボタン操作がありますので、リモコンキーと言い換えても良いと思います。
スマートキーとキーレスの違いを、少し詳しく見て行きましょう。
ドアの施錠/解錠
スマートキーは、キーをかばんやポケットなどに入れた状態で、ドアノブにタッチすることで施錠/解錠ができます。
キーレスキーは、ドアにキーを向けて解錠ボタン、または施錠ボタンを押します。
エンジンのON/OFF
スマートキーは、車内にキーを置き、エンジンスタートボタンを押すことでエンジンをかけます。
キーレスキーは、鍵式の自動車と同じように鍵穴(キーシリンダー)にキーを指し込み回します。
まとめ
今回は、スマートキーの不便と感じている人たちの意見を紹介してみました。
スマートキーは、鍵の操作をしなくてもドアの施錠/解錠やエンジンのON/OFFができますので、逆に鍵の場所が分からなくなることがあります。
加えて、助手席の人にスマートキーを預かってもらっていて、その人が間違えて持ち帰ってしまってもすぐに気が付かないこともあります。
また、スマートキーに対しては、次のような疑問が持たれがちです。
- スマートキーの電池が切れた時には、ドアの施錠/解錠やエンジンのON/OFFはできるのか?
- エンジンをかけたまま車から離れると、自動でエンジンが止まってくれるのか?
スマートキーの電池が切れた時には、メカニカルキーを使えばドアの施錠/解錠やエンジンのON/OFFはできます。
ただ、メカニカルキーはあくまで「非常時」用の鍵なので、使うときに警報音が鳴ります。
そのため、スマートキーの電池が切れた後にメカニカルキーだけでやり過ごそうとすると、周囲に怪しまれる可能性があります。
また、車にエンジンがかかった状態でスマートキーを持って離れても、エンジンはかかりっぱなしです。
しかも、エンジンがかかった状態では、スマートキーを使って車を施錠できません。
メカニカルキーを使うと施錠できますが、車種によってはすべてのドアが連動して施錠されない場合もありますので注意が必要です。
また、スマートキーとよく似た言葉に「キーレス」という言葉がありますが、こちらは、いわゆるリモコンキーとおもってください。
スマートキーは、鍵穴タイプに比べ確かに便利ですが、意外に不便なところやセキュリティーが甘かったりします。
ただ、自動車に関連する技術は、自動運転やMAAS(Mobility as a Service)など進歩も著しいです。
不便と思っている問題も、数年後には解決されているでしょうから、今後のカーライフを楽しみにしておきましょう!