ペットボトルキャップがワクチンになります。
2005年5月、神奈川県の女子高生がペットボトルのキャップを集めて医療支援に換える運動をはじめようと幾つかの団体に声をかけたところから始まりました。
これは エコキャップ運動と呼ばれ、事前登録等が不要で誰でも参加できることから、全国に広まりました。
この記事では ワクチンになるまでの仕組みやその話にまつわる嘘?本当!を書かせていただきます。
ペットボトルキャップがワクチンってどういう仕組み?

回収されたペットボトルキャップは業者に買いとられ、それの売却利益の一部が寄付になります。
キャップ 500個で 約1㎏。
キャップ約800個でポリオワクチン(小児麻痺)一本分です。
仕組みとしましては、
回収業者にリサイクル資源として売られる
→売られた時の売却益がJCV認定NPO法人 世界の子供にワクチンを 日本委員会の寄付
→ユニセフと連携して世界のワクチン工場へワクチンを発注する
→製造されたワクチンは冷凍のまま空輸で支援する国へ行きます
→支援国のワクチン保管センターで保管され
→各地の予防接種会場で子供達へワクチン接種となります。
ペットボトルキャップがワクチンにって、嘘なの?

実際には上記に記載した通りその仕組みの過程を得てワクチンになることは本当です。
嘘という話があるのには理由があって、
キャップを集めるよりも 普通に寄付した方が安いし、ワクチンにするまでに手間がかかりすぎる。
それならそのままキャップを集めずに寄付した方が良い!となった意見があったためです。
キャップの輸送量が高い。
たとえば、イオングループなどで行っているエコキャップの回収の場合は独自の輸送ルートがあるので余分な費用がかかりません。
ですが、小学校や公民館などでキャップを集めた時は一般業者を利用することになり、そのガソリン代などもコストに含まれるためです。
また、佐川急便さんなどでエコキャップ運動用の段ボール箱を使うと、箱1枚が158円。キャップは約6キロほど入ります。
なので、約2400個を送付できるのですが、6キロのペットボトルキャップの純利益は約60円となり、 ポリオワクチン(小児麻痺)が約3本分。
リサイクルまでの人件費が高い。
ペットボトルキャップは材質は同じように見えても、違う場合があるようです。キャップの分類や洗浄を行う人員が必要なためです。
障がい者福祉施設でこれを担っていることも多いのですが、最近では、就労支援に力を入れているので、そこに経費がかかったり、ワクチン発注業者窓口になっている法人の人件費にもあてられていることがあるので、実際にワクチンに使える金額が少ないのも事実です。
ワクチンにかかるお金の 一覧を載せさせていただきます。(表記してあるのは、ワクチン一本あたりの金額です。)
ポリオワクチン(小児麻痺)…約20円
MMR(麻疹 おたふく風邪 風疹)…約160円
BCG(結核)…約20円
MR (麻疹 風疹)…約70円
DPT (ジフテリア 百日咳 破傷風)…約20円
五価ワクチン(DPT+B型肝炎+Hib)…約130円
AD(自動無効化) 注射器…約5円
ペットボトルのキャップが売れるってホント?

売れます。 が、 売却価格としては安いです。キャップ25個で約1円です。
ワクチンにしようと思うとポリオワクチン(小児麻痺)が1本約20円なのでキャップを約800個集めてワクチン1本をかえる計算になります。
過去3年間のJCVの支援実績を掲載させていただきます。
2019年…115,656,724円
2018年…111,071,109円
2017年…112,096,155 円
まとめ
上記の通り ペットボトルキャップは売れて、ワクチンになっています。
現金はそのまま寄付をするということもできますが、 お茶やジュースの入った ペットボトルキャップなら、 1個からでも、小さな子からお年寄りの方まで気軽に参加できる 運動なので皆様もも是非、参加してみてはいかがでしょうか。