灯油のポリタンクを、裸のままベランダなどの屋外に置くのはやめましょう。
灯油はにおいがきつく、ベランダなどの屋外に置きたくなりますが、ポリタンクを裸のまま外に置くと太陽の光や熱などで劣化します。
灯油が劣化すると、ストーブが燃えにくくなったり、ストーブの芯にタールが溜まり事故の原因になるなど、とても危険です。
今回の記事では、灯油ポリタンクを外に置いてはいけない理由を詳しく紹介していきます。
また、ベランダなどにポリタンクを置かざるを得ないときの収納方法や、屋内での収納場所、収納時の注意点なども取り上げます。
灯油のポリタンクをベランダに置いたらダメな理由
灯油ポリタンクはベランダに置くのは、次の理由から良くありません。
- 直射日光にあたることで灯油の劣化が進む
- 外気に触れることでポリタンクの劣化が進む
- 火事が起きた時に燃え広がる危険が高まる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
直射日光に当たることで灯油の劣化が進む
灯油は、もともと劣化しやすい燃料なので、1シーズンしかもちません。
灯油ポリタンクが赤いのには、白に比べて紫外線を防ぎやすいという理由もあります。
ただ、赤いポリタンクでも、直射日光が当たる場所に裸で置いておくと劣化が早まってしまいます。
外気に触れることでポリタンクの劣化が進む
灯油ポリタンクはプラスチックでできていますので、裸のまま外に置いておくと、直射日光や雨風などの外気で劣化が進みます。
ポリタンクの破損した所から、雨水やゴミなどが混入すると不燃などの事故の原因にもなります。
火事が起きた時に燃え広がる危険が高まる
火事が起きる確率は低いものの、ベランダに灯油ポリタンクが置いてあると、火事が起きた時に火災が広がるリスクが高まります。
炎は窓を伝って上に広がりますので、ベランダ置かれた灯油が燃え移ると、火の勢いが強まってしまいます。
灯油が劣化するとどうなる?
灯油の劣化が進むと「変質灯油」になり、黄色っぽく変色し酸っぱい匂いがするようになります。
また、水やゴミなどが混ざったものは「不純灯油」と言われます。
変質灯油や不純灯油などの不良灯油は、次のようにとても危険なので、絶対に使わないようにしてください。
- ストーブの火が付きにくく消えにくくなる
- 燃焼時に煙や有害な物質が発生する
- ストーブの芯にタールが溜まるなど故障の原因になる
変質灯油や不純灯油は、少量を透明な容器に入れると黄色っぽくなっていますので識別できます。
ただ、見た目は透明でも不良灯油の場合もありますので、古い灯油や管理がまずかった灯油は使わないほうが賢明です。
灯油は1シーズンだけの使用とし、冬の間に使い切れない時には、保管せずに、購入したお店に引き取ってもらいましょう。
独立行政法人 国民生活センターのホームページには、不良灯油の注意喚起が詳しく載っていますので、ぜひ確認してみてくださいね。
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen351.html
ベランダに置くなら収納ケースやカバーを使う
どうしてもベランダにポリタンクを置かざるを得ない時には、収納ケースやカバーを使い直射日光や外気を防ぎましょう。
収納ケースやカバーを選ぶ時のポイントを紹介します。
収納ケース
ベランダにある程度の広いスペースを確保できる時には、小さめのホームロッカーまたは収納ボックスがおすすめです。
断熱効果があるものや、隙間が無く、日光を遮断し暴風雨でも雨水が侵入しないものを選ぶことがポイントです。
ポリタンクカバー
ベランダのスペースがそれほど広くない時には、ポリタンクカバーで代替することができます。
こちらも、断熱効果が高い素材を使っているものや隙間が少ないものを選ぶようにしましょう。
ポリタンクカバーは収納ケースよりも隙間が多いので、ポリタンクカバーを黒のポリ袋に入れて、大きめの輪ゴムで密閉しておくとより安全です。
収納ケースやカバーはどこで買える?
灯油ポリタンクの収納ケースやカバーは、ホームセンターやダイソーなどの100円ショップで取り扱っています。
また、Amazon、楽天、モノタロウなどのネットショップでもたくさんの種類が販売されています。
ネットショップでは、口コミの評価も書かれていますので、参考にしてみてくださいね!
灯油のポリタンクを室内で収納するには?
灯油ポリタンクを室内に収納することができれば、収納ケースやカバーを使わなくても、灯油の劣化を防ぐことができます。
ただ、灯油は匂いがきついので、収納に適した場所や収納時の注意点、また灯油をカーペットなどにこぼしてしまった時の対処方法を紹介します。
適した収納場所と収納時の注意点
室内で収納する時には物置部屋または、日が射さなければ玄関の近くが適しています。
涼しくて風通しがよく、日が射さない場所が理想ですが、火の気や湿気が多いところは避けるようにしてください。
灯油は揮発性があり、硫黄のような匂いがしますので、匂いがこもらないよう、室内に収納する時には次のように取り扱いましょう。
- 灯油の匂いがこもらないよう、毎日喚起をする。
- 使用しない時には、容器はしっかりと密閉しておく。
- ストーブなどに給油する時には、こぼさないように注意しつつ換気する。
灯油をこぼしてしまったらどうする?
万が一、部屋のカーペットなどに灯油をこぼしてしまった時には、速やかに、換気をしながら次の手順で取り除きます。
- こぼれた灯油をキッチンペーパーや古新聞、乾いたタオルなど使って吸い取ります。その際には、こすらずに押し付けるようにして取り除きます。
- 中性洗剤を別のキッチンペーパーや乾いたタオルなどに含ませ、灯油がこぼれたところを軽く叩くようにして取り除きます。
- アルコール(消毒用エタノール)を別のキッチンペーパーなどに含ませ、灯油がこぼれたところを軽く叩くように染み込ませます。灯油は、アルコールと混ざると中和されて気化します。
消毒用のエタノールは、ドラッグストアに普通に売っていますので、常備しておくと灯油がこぼれた時にすぐに対処できます。
エタノールは揮発性がありますので、日が当たらない涼しいところに保管しておきましょう。
まとめ
今回は、灯油ポリタンクをベランダなど外に置いてはいけない理由や、外に置かざるを得ない時の収納方法などを詳しく説明してきました。
灯油は劣化しやすい燃料のため、灯油のポリタンクを屋外に裸のまま置くのはやめましょう。
灯油が太陽の光や熱で劣化するほか、ポリタンクのプラスチックが劣化し、破損した所から雨水やゴミなどが混ざる恐れもあります。
どうしても屋外に置く時には、収納ケースやポリタンク用のカバーを使い直射日光や外気から遮断することが必要です。
屋内で収納する時には、太陽の光が差し込まず、涼しくて風通し良いところが適していますが、火の気や湿気が多い場所は避けましょう。
灯油は硫黄のようなにおいがしますので、屋内で収納する時には、こぼさないように注意するとともに、換気を毎日行うことが大切です。
こぼしてしまった時には、火の気に注意しつつ、換気をしながら速やかに取り除くようにしましょう。