死んだあさりには、貝毒という猛毒が繁殖していますので、あさりを入手したら死んだあさりをすぐに取り除く必要があります。
死んだあさりが残ったままだと、ほかの新鮮なあさりにも貝毒が回り、丸ごと駄目になってしまいます。
もしあなたが、あさりの下処理をこれから行う予定でしたら、ぜひ死んだあさりの見分け方を覚えてくださいね。
今回は、死んだあさりの見分け方を詳しく紹介します。
加えて、死んだあさりは加熱後も食べてはいけない理由も取り上げていきます。
あさりが死んでるか見分ける方法は?中身が出てる・生臭い

中身が出ている
中身が出ている時には、生きている時と死んでいる時の両方の場合があります。
生きている時
- 水の中で管を出して動いていれば生きています。
- 水の中で管を出したまま動かない時に、軽い振動を与えた後に貝が引っ込むような動きをすれば生きています。
死んでいる時
- 水の中で管を出したまま動かない時に、軽い振動を与えても反応しなければ死んでいるか弱っています。
- 貝がパカッと開いて動かない時には死んでいます。
生臭い
あさりから生臭い匂いが出ている時には、あさりが死んで貝毒が繁殖し腐っています。
生臭い以外に、容器の水が白く濁っている時も腐ったあさりが混ざっています。
少しでも生臭さや水の濁りなどの異常を感じた時には、すぐに容器を確認して死んだあさりを取り除く必要があります。
あさりの打音が軽い
あさりの下処理でこすり洗いしている時に、あさり同士をたたいて軽く鈍い音がする時には死んでいる可能性があります。
こすり洗いは、あさりの下処理で行う工程で、通常はここで死んだあさりを取り除きます。
死んだあさりが1つでも混ざっていると、容器全体が駄目になってしまうので、死んだあさりを取り除く作業は入念に行ってくださいね。
言葉だとイメージしにくいので、死んだあさりを打音で見分ける動画をのせておきます。
3分30秒くらいから、あさりの打音検査が始まります。
加熱して開かないものは?
加熱しても開かないあさりは、死んでいる可能性が高いです。
あさりは、生きている時には貝を閉じていることが多いですが、これはあさりが貝柱を使って閉じようとしているからです。
加熱して貝が息絶えると、貝柱の貝を閉じようする力が無くなり貝が開きます。
一方で閉じたまま死んだあさりは、空気圧やちょうつがいの破損など別の理由で閉じてるので、加熱しても開きません。
中には貝柱の力が強く、閉じたまま息絶えたあさりもゼロではないでしょう。
ただ、加熱後に閉じたままのあさりから、元々生きていたのか死んでいたのかを見分けることはできません。
加熱した後に閉じたままのあさりは、無理にこじ開けて食べようとせずに取り除くのが安全です。
冷蔵庫で死んだ?じつは生きてるかも

冷蔵庫にあさりを入れておくと、閉じたまま、または半開きの状態のままで、軽く容器を揺らしても動かないことがあります。
この状態のあさりは、寒さで仮死状態になっているためで、生きていますので心配いりません。
あさりが活発に動く気温は15~20℃で、15℃を下回ると動きが鈍くなり、20℃を超えると逆にのぼせて弱ってしまいます。
水道局のホームページによると、水道水は平均17℃くらいなので、冷蔵庫に入れたあさりを砂抜きのために常温に戻せば活動を始めます。
冷蔵庫に入れておいて動かないままのあさりも、常温で砂抜きを始めると管を出して潮を吹き始めますので安心してくださいね。
ただ、冷たいままだとあさりが弱ってしまうので、冷蔵庫のあさりは1~2日以内に調理する必要があります。
死んだあさりは食べられる?食中毒などの危険について

死んだあさりには、貝毒という猛毒が繁殖していますので、食べてはいけません。
貝毒は、あさりが毒性のあるプランクトンを食べることで発生しますが、生きている間はあさりの免疫力で繁殖が抑えられています。
あさりが死ぬと、免疫機能が失われるため、貝毒が急激に増えていきます。
貝毒はかなり強い毒で、煮たり焼いたりしても無くなりません。
貝毒のうち注意が必要なのは、麻痺性の貝毒と下痢性の貝毒です。
それぞれの症状を簡単にまとめておきますね。
貝毒の種類 | 主な症状 |
麻酔性の貝毒 | 最初に舌、唇、顔面などがしびれはじめ、その後で体中に麻痺が広がる。 ひどくなると全身が動かなくなり、呼吸困難で死亡することもある。 |
下痢性の貝毒 | 死亡には至ることはないが、下痢や嘔吐など食中毒のような症状が起きる。 |
貝毒であさりが駄目にならないよう、買ったり潮干狩りなどであさりを入手した時には、すぐに死んだあさりを取り除くようにしてくださいね。
まとめ

今回は、死んだあさりの見分け方、冷蔵庫のあさりが動かない時に生きているのかどうか、また死んだあさりは食べられるのかを見てきました。
死んだあさりは、次のような特徴があるので見分けることができます。
- 中身が出ていた時に、容器を揺らしても貝が反応しないとき
- あさりが生臭い時や、容器の水が白く濁っているとき
- 砂をこすり洗いするときに、貝同士を叩いたときに打音が軽く鈍いとき
- あさりを加熱しても開かないとき
死んだあさりが混ざっていると、他の新鮮なあさりもすぐに駄目になってしまいますので、死んだあさりはしっかり取り除く必要があります。
冷蔵庫の中に入れたあさりが閉じたまま、または半開きのままになっていて、容器を揺らしても動かない時があります。
これは、温度が低くあさりが仮死状態になっているためで、死んでいるわけではありません。
あさりが活発に活動する温度は、15~20℃くらいなので、砂抜きのために常温に戻せば、また活動を始めます。
死んだあさりには貝毒という猛毒が繁殖しているので、食べてはいけません。
貝毒はあさりが毒性のあるプランクトンを食べると発生し、あさりが生きている間は免疫により繁殖が抑えられますが、あさりが死ぬと急速に繁殖します。
貝毒はかなり強い毒で、麻痺性の貝毒、下痢性の貝毒の2つに注意する必要があります。
特に注意が必要なのは麻痺性の貝毒で、重症になると全身が麻痺するほか死に至ることもあります。
貝毒は、加熱してもなくなりませんので、調理後に閉じたままのあさりを無理にこじ開けて食べるのは、絶対にやめましょうね。