生クリームを泡立てて固める方法は、難しくはありませんが、ちょっとしたコツを抑えないと固くなってくれません。
例えば、生クリームを低い温度に保つ、空気を含みやすい泡立て器を使う、生クリームの種類に気を付けるなどです。
今回は、生クリームが固まらない主な原因を紹介します。
また、生クリームが固まらない時の対処方法や、固めるのに失敗した生クリームの再利用方法も詳しく取り上げます。
もしあなたが、生クリームが固まらなくて困っていましたら、ぜひ参考にしてくださいね。
生クリームが固まらない原因は?

生クリームが固まらない原因はいくつかありますが、主なものは次のとおりです。
- 温度が高い、水分が混ざっている
- 泡立て器のワイヤーが少ない
- 低脂肪の生クリームを使っている
それぞれ、詳しく説明していきますね。
温度が高い、水分が混ざっている
生クリームには、乳脂肪が含まれていますので、温度が高いと乳脂肪に含まれる油脂が溶けて固まりにくくなります。
生クリームが固まりやすい温度は、5~15℃の範囲です。
詳しくは、森永乳業が公開しているfaqページをご確認くださいね。
また、生クリームに水分が含まれていても固まりにくくなります。
ボウルや泡立て器などに水気が付いたままにならないよう、布巾やキッチンペーパーで水分を取り除いてくださいね。
泡立て器のワイヤーが少ない
ワイヤーが少ない泡立て器を使うと、なかなか固まってくれません。
泡立てる時には、ワイヤーが多めな泡立て器を使い、生地全体に空気を含ませるようにします。
生クリームの固さの目安としては、6分立て、7分立て、8分立てなどがあります。
泡立て具合 | クリームの状態 | 用途 |
6分立て | 泡立て器すくうとトロトロと落ち、落ちた跡がすぐ消える。 | デザートのソース、ババロアなどの生地 |
7分立て | 泡立て器ですくうとトロリと落ち、少し積もって跡がうっすら残る。 | ケーキに塗ったり、焼き菓子に添える |
8分立て | 泡立て器ですくうとやわらかいツノが立ち、その後で「お辞儀」をして下を向く。 | ケーキのデコレーション |
6分立てまで来ると、少し泡立てるだけ7分立て、8分立てに変わりますので、固さを確かめながら慎重に泡立てる必要があります。
混ぜすぎると、乳脂肪と水分が分離してバターになり、パサパサして生クリームのしっとり感が失われてしまいます。
この「分」は、時間の分ではないので注意してくださいね。
目安としては、脂肪分が35%の生クリームだと、ハンドミキサー低速で3分くらい、脂肪分が45%の生クリームだと、手で2分くらいで8分立てになります。
低脂肪の生クリームを使っている
生クリームの脂肪分の多さも、生クリームが固まるのに重要です。
パッケージの成分表を確認し、脂肪分が35%~50%の範囲の生クリームを買うようにしてくださいね。
脂肪分の濃度以外に、生クリームの成分も固まりやすさに影響します。
純生(乳脂肪)クリームの方がホイップクリーム(植物油脂)よりも固まりやすいですが、分離も早くなります。
ここで、純生クリームとホイップクリームの違いをまとめておきます。
種類 | 原料 | 食感 | 固まりやすさ | 出来上がり |
純生クリーム | 乳脂肪 |
ミルクの風味・コクがあり口溶けが良い。 |
固まりやすく、分離しやすい。 |
若干クリーム色で粘り気がある。 |
ホイップクリーム | 植物油脂 | 軽めであっさりしている。 | 純生クリームの2倍くらい時間がかかるが、分離しにくい。 | 白で滑らか。 |
固まらない時の対処法で使えるのは?

生クリームが固まらない時には、次の方法を試してみてください。
- レモンや酢を入れる
- ゼラチンを混ぜる
- 冷蔵庫で固める
それぞれ詳しく説明していきます。
レモンや酢を入れる
レモン、すだち、ゆずなどの柑橘系の汁、またはお酢は、生クリームを固めるのに効果があります。
生クリームが固まるまでの時間が早くなるほか、生クリームが固まった後も崩れにくくなります。
分量の目安としては、生クリーム100mlにレモン汁またはお酢を5mlくらいです。
ゼラチンを混ぜる
ゼラチンも生クリームを固めるのに効果があります。
ゼラチンは凝固剤としてゼリーやプリン、ババロアなどに使われますが、生クリームを固くするのにも使えます。
分量は、生クリーム100mlに対し、粉ゼラチン1グラムが目安です。
ゼラチン以外では、ジャムを使っても生クリームを固めることができます。
ジャムには、ペクチンという凝固剤が含まれていますので、生クリームを固めることができます。
分量は、生クリーム100mlあたり、ジャムを大さじ1(15ml)くらいが目安です。
冷凍庫で固める
生クリームが固まりにくい時には、一度冷蔵庫で冷やすと泡立ちが良くなり固まりやすくなります。
上でも説明しましたが、生クリームは温度が高いと乳脂肪が溶けて固まりにくくなります。
その他、大き目なボウルに氷水や保冷剤を入れて、生クリームを泡立てるボウルの外側からあてて冷やしながら泡立てるのも効果があります。
失敗した生クリームの再利用方法と賞味期限

失敗した生クリームの再利用方法
生クリームを作っていて固まらなかった時には、色々な料理に再利用できます。
基本的には乳製品なので、牛乳や豆乳を使うレシピに広く使うことができます。
コーヒーやフルーツなどにかける
身近なところでは、コーヒーやコーヒーゼリーのミルクや、フルーツなどにかけるソースに使えます。
また、バニラエッセンスを加えて凍らせると、アイスクリームにもなります。
牛乳の代わりの材料として使う
固めるのに失敗した生クリームは、材料に牛乳や豆乳を使うレシピにも活用できます。
例えば、プリン、ティラミス、パンケーキ、チーズケーキなどのお菓子を作るときに、牛乳の代わりになります。
お菓子以外にも、パスタのクリームソース、フレンチトーストの溶液、グラタン、シチューなどにも活用できます。
生クリームの賞味期限
生クリームの賞味期限は短いので、開封後はすぐに使い切るようにしてくださいね。
常温に置いたままだとすぐに傷んでしまうので、一時的に保管する場合は冷蔵庫に入れておきましょう。
特に、純生クリームはホイップクリームよりも傷みやすいので注意が必要です。
冷蔵保存したときの保存の目安は次のとおりです。
- 純生クリーム:1~2日
- ホイップクリーム:3~5日
冷凍保存すると1か月くらいもちますので、すぐ使う予定がない時には、冷凍保存しましょう。
まとめ

今回は、生クリームが固まらない理由、固まらない時の対処法、固めるのに失敗したクリームの活用方法を紹介してきました。
生クリームには、乳脂肪が含まれていますので、温度が高かったり水分が混ざっていると固まりにくくなります。
また、泡立て器のワイヤーが少ないなど、空気が混ざりにくいと固まりにくいので、器具にも気を付けましょう。
加えて、脂肪分が少ない種類は固まりにくいので、脂肪分が35%~50%の生クリームを使うようにしてくださいね。
生クリームを泡立てる時には、一度冷蔵庫に入れたり、氷水を張った大き目なボウルを外側にあてながら泡立てると、固まりやすくなります。
その他、お酢やレモン汁などの柑橘類の汁、ゼラチンやジャムなどを混ぜると固まりやすくなります。
生クリームを固めるのに失敗してしまった場合は、牛乳や豆乳の代わりに色々な料理に活用できます。
身近なところでは、コーヒー・コーヒーゼリー、フルーツにかけたり、凍らせてアイスクリームにすることができます。
また、プリンやティラミス、チーズケーキなどのお菓子の材料にしたり、パスタのクリームソース、グラタンなどにも活用できます。
生クリームを泡立てて固める方法は複雑ではありませんが、ちょっとしたコツがあります。
ぜひ今回の記事を参考にして、美味しいホイップクリームを作ってくださいね。