本籍地を変更する時のデメリットはあなたが亡くなった時、遺産相続の手続きで遺族の手間を増やしてしまったり、身分証明証の変更手続きが必要なことです。
でも実は、本籍地の変更はデメリットだけではなく、意外と知られていなかったメリットもあるんです。
そこで今回は、本籍地を変更するメリット・デメリット、その際に必要な書類や、併せて変更が必要なものまで、知っておいて損のないポイントをたくさん紹介していきたいと思います。
本籍地を変更するデメリットまとめ!ポイントは遺産相続の時?

本籍地を変更する時のデメリットは、大きく分けて2つあります。
- 遺産相続で遺族の手間を増やしてしまう
- 運転免許証やパスポートの変更手続きが必要になる
1つずつ、くわしく解説していきます。
1.遺産相続で遺族の手間を増やしてしまう
遺産相続の手続きには、亡くなった人と遺族の関係性を証明するために、これまでの人生で戸籍を置いてきた全ての戸籍謄本(除籍謄本)が必要になります。
もしも引っ越しや転勤の度に本籍地の変更手続きを行っていたとしたら、あなたの遺族が全ての土地の戸籍謄本を取り寄せなければならないということです。
亡くなった後から遺族に迷惑をかけるなんて、なんだか忍びないですよね。
2.運転免許証やパスポートの変更手続きが必要になる
運転免許証には、あなたの本籍地が登録されたICチップが入っています。
その情報の変更が必要なため、運転免許更新センターか、警察署、または運転免許試験場まで足を運ばなければなりません。
同じくパスポートにも本籍地の情報が入っておりますが、パスポートの場合、本籍の都道府県が変更になった場合のみ手続きが必要になります。
同じ都道府県内での移動には手続きが必要ない、という点は運転免許証と少し違うところです。
亡くなってからの遺族への負担、各身分証明書の変更手続きなどを考えると、本籍地の変更はなかなかすぐに決断するのは難しいですね。
戸籍謄本の取り寄せが簡単に?メリットについて!

もちろん、本籍地を変えることにはメリットもあります。
- 戸籍謄本の取り寄せが楽
- 離婚歴が消せる
1つずつ、くわしく説明していきます。
1.戸籍謄本の取り寄せが楽
住んでいる場所と本籍地を同じ場所にしておくことで、いざ戸籍謄本が必要となった時の手続きが楽になります。
戸籍謄本を取り寄せるための手続きは、今住んでいる市区町村の役場で行わなければならないため、近くに住んでいるとすぐに行けて便利ですよね。
もしも本籍地とは違う市町村区に住んでいる場合、わざわざ本籍地のある土地へ行くか、郵送で取り寄せなければなりません。
わざわざその土地へ赴くのは時間も交通費がかかりますし、郵送となると時間もかかるので、急いでいる時には困ってしまいますね。
2.離婚歴が消せる
もしも離婚をした場合、元の戸籍に戻るか、新しく戸籍を作るか、どちらかを選択できます。
そこで新しく戸籍を作ってしまえば、離婚歴は記載せずに済んでしまうんです。
戸籍に離婚歴がつくのを気にされる人には嬉しいことですよね。
しかし、過去の変更履歴を全て調べられると離婚歴も分かってしまうため、そこには注意が必要です。
戸籍謄本がすぐに取り寄せられたり、離婚歴が消せたり、人によってはありがたいメリットもありますね。
引越しの場合、本籍地は変更しなくてもOK?

引っ越しの場合、本籍地を変更する必要はありません。
もちろん、変更をすることも可能ですが、その際はメリットデメリットをよく理解しておかなければなりません。
引っ越しの際、変更しなければならないのは住民票です。
住民票と戸籍をよく混同してしまう人がいるのですが、この2つは全く違ったものになります。
戸籍はあなたが生まれてから亡くなるまでの出生、婚姻、死亡などを記録し、証明するもの。
一方住民票はあなたが今どこに住んでいるのかを証明するもの。
なので結婚するわけでもなく、ただ引っ越しをして住所が変わるだけなら、本籍地の変更は必要ありません。
引っ越しをした時に、住民票を移すことは法律で定められた義務のため、面倒でも必ず行いましょう。
気になる変更の方法と、必要書類もご紹介!免許証やマイナンバーカードもいる?

本籍地を変更するには、本籍地のある市町村区の役所、もしくは新しく本籍地とする市町村区の役所にて、転籍届を提出します。
その際に必要なもの一覧です。
- 転籍届
- 戸籍謄本
- 印鑑
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど)
ここで気を付けなければならないのは、転籍届には戸籍の筆頭者(戸籍の一番初めに名前が書かれている人)と配偶者、それぞれの署名と捺印が必要ということです。
1人で届出に行く場合は、あらかじめ夫婦2人の署名と印鑑を準備しておかなければなりませんね。
この時に押す印鑑はゴム印ではなく、朱肉を使用するものを用意しましょう。
また転籍届を提出すると、同じ戸籍に名前のある人全員の戸籍が変更されます。
もし同じ戸籍の中の一部の人だけが変更前の本籍地に残る場合は「分籍届」を提出しましょう。
免許証、パスポート、保険証…何をすればいい?その他の手続き

本籍地の変更により手続きが必要な書類はこちら。
- 運転免許証
- パスポート
- 国家資格証
運転免許証やパスポート、国家資格証は本籍地の変更により手続きが必要です。
しかし健康保険証については、本籍ではなく住所の変更があった際に、変更手続きをします。
例えばもともと実家に本籍地を定め、一人暮らしをした家の住所で保険証を申請し、本籍を実家から一人暮らしの家の住所に移した、といった場合は変更の手続きは必要ありません。
健康保険証は結婚などで氏名や住所に変更があった場合のみでOKです。
運転免許証やパスポートに変更手続きが必要なのはなんとなく想像がつきますが、取得から時間の経っている国家資格証などはつい手続きを忘れてしまそうですね。
まとめ
- 本籍地を変更すると、亡くなった時に遺族の手間を増やす
- 本籍地変更に伴い、免許証やパスポート、国家資格証の書き換えが必要
- 引っ越しの際に本籍地を変更する必要はないが、変更すると戸籍謄本の取り寄せが楽になる
- 本籍地の変更は今定めている、または新しく定める本籍地の市町村区へ転籍届を出す
本籍地を変更する際はメリット・デメリットをしっかりと理解し、家族と話し合った上で変更手続きを行うと良いですね。